戦略論

多角化戦略

1.目的

(1)範囲の経済

複数事業を同時に営むほうが、それらの事業を別々の企業が行っている場合より、 事業活動が全体として効率的になるという経済効果です。

(2)リスクの分散

収益の相関関係が小さい複数事業を組み合わせることでヘッジ効果として企業全体の 収益の安定化が図れるという効果です。

2.デメリット

行き過ぎた場合には、以下のようなデメリットがあります。 (1)経営資源の分散 (2)新規進出におけるノウハウ不足
垂直統合戦略

1.メリット

(1)安定的生産体制

外注に比べ、安定的な部材の供給を受けられ、一貫した生産計画を立てることができます。

(2)輸送コスト・中間マージンの節約

各工程の調整などがしやすくなります。

(3)範囲の経済

複数の工程で資源を共有できるため、コストを削減する事ができます。

(4)製品競争力の向上

キーデバイスやキーマテリアルを有している場合には、部材を高性能化できます。

2.デメリット

(1)機動力の問題

固定費の増加や、事業撤退の意思決定につき柔軟性が損なわれます。

(2)規模の経済の問題

部材生産能力が社内の完成品事業の需要を上回るケースが多いといいます。
国際化戦略

1.概要

世界経済において国際的な相互依存が高まることを経済のグローバル化といいます。

2.多国籍企業の経営課題

多国籍企業にとって重要な経営課題となるのが、グローバル統合とローカル適応です。

①グローバル統合

グローバル統合は複数国のオペレーションの標準化により規模の経済を 追求する等経営の効率化を図ることをいいます。

②ローカル適応

ローカル適応は、それぞれの国や地域毎の要請に細かな対応をすることです。 これら2つの関係は基本的にトレードオフの関係にありますが、多国籍企業においては この2つの課題について可能な限り同時に対応していくことが求められます。
新規事業の展開
長所 短所
内部開発 管理が容易 他社の動向と無関係 事業展開に時間がかかる 事業領域に制約がある
社内ベンチャー 既存組織を流動化 社内資源の活用 既存事業の風土が足枷となる
M&A 迅速な算入 無形資産を丸ごと取得 組織文化の融合が困難
提携 外部資源の部分的活用 互恵的関係維持が困難
ライセンシング 確立されたノウハウを迅速に導入 ノウハウの独占が不可能 ライセンサーへの依存度が強まる
合弁(JV) 複数法人を集約 リスク分担 企業間コンフリクトの発生
ベンチャーキャピタル 新技術への足がかり 事業化の成功確率が低い
当記事について

本Webサイト上の文章およびその内容に関して、正確性、有用性、安全性その他いかなる保証もするものではありません。

当記事は、若輩であり一介の会計人が日々の業務の中から自己の研究成果を暫定的な結論とともに開示するものであり、本Webサイト上の文章の内容に誤りがあった場合でも、責任を負いかねます。

制度に携わるものとして、事務所理念のもとに、自己の意見を含め発信することに目的があり、誤りや誤謬が存在することをお知り置き頂けたらと考えます。

また、本Webサイト上の文章に記載されている事項は、予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご承知おきください。

最適資本構成問題-資金調達

資金調達-負債利用による影響

レバレッジ効果

事業の収益率が負債利子率より大きい場合、負債利用度を高めるほどにROEが上昇し、 逆に事業収益率が負債利子率を下回れば負債利用度の上昇がROEを下落へ導くことになります。 これは、資本構成に占める負債比率が高くなるほどに、ROEの変動幅が大きくなるというレバレッジ効果を意味しています。

株主のリスク

株主の負担するリスクは、大きくビジネスリスクとファイナンシャルリスクに大別されます。 ビジネスリスクは事業固有のリスクであり、ファイナンシャルリスクは負債利用に起因する財務構成上のリスクです。

節税効果

資金調達手段は主として内部金融と外部金融がありそれぞれ代表的な手法として増資と金融機関借入が挙げられます。 増資による調達コストである「配当」と金融機関借入による調達コストである「支払利息」とは法人税計算において違いが現れます。 会計の基本的考えとして、配当は課税後の留保利益の処分であり、支払利息は事業成果獲得のための犠牲であると捉えられています。 そのため、支払利息は法人税法において損金に算入され、その分課税所得を減少させ、投資家以外の第三者に キャッシュフローが流出することを抑止するという機能があります。 節税効果は、負債額*負債コスト*法人税率によって測定することができます。

最適資本構成の理論

1958年にモジリアーニとミラーが共同で発表した理論であり、その要旨は以下のようになっています。 第一命題「企業価値は企業の資本構成にかかわらず一定であり、企業価値を最大化するような最適な資本構成というものは存在しない。」 第二命題「負債を利用している企業の自己資本コストは、負債を利用していない企業の自己資本コストに比べて高くなる。」 1963年に上記理論の前提に、税金の概念を織り込んだ上で以下のように修正されました。 第一命題「企業価値は負債利用の企業価値の方が負債利用しない企業のそれよりも大きくなる。」 第二命題「税制を考慮する場合、負債利用している企業の加重平均自己資本コストは負債利用が増加するほど低減する。」

トレードオフモデル

負債利用のメリットである節税効果と、デメリットである倒産コストのトレードオフ関係で最適資本構成が決定するというモデルです。

ペッキングオーダー理論

企業の資金調達には優先順位があり、内部金融・外部金融の順で資金調達を行うというものです。また、外部金融のなかでも 負債調達が優先され、最後に株式の新規発行による資金調達がなされるというものです。

私見

各理論やモデルは、調達額や直接の調達コストが同額の場合を前提に議論されています。 実際の経済取引にしてみると、同族会社などは経営と資本が一致しており、毎期配当を行っていない場合などが多く 一概に上記モデルを当てはめることはできないと思われます。 また、調達手段による手続上の事務コスト等その他の要因も総合的に勘案する必要があると思われます。
経営者の株式所有とインセンティブ

経営者の株式所有とインセンティブ

近年、特に所有と経営が分離している場合において会社役員の報酬に業績連動型報酬・

ストック・オプションを利用する企業が増加しています。

株主と経営者間の情報が対象的であれば、株主が経営者の行動を観察する事が可能となり、

経営者の努力水準に見合った報酬を提供することができます。

しかしながら、現実的な問題として株主は経営者の行動すべてをモニタリングすることはできず

専門的な経営判断に自己の利益がどのように影響するのか判断することが困難な場合があります。

 

アラインメント効果

経営者が株式を保有することで株主と同様の利害関係を有することになり、

モラル・ハザード問題を解消する効果をいいます。

エントレンチメント効果

経営者の株式保有が経営努力に対するインセンティブを逆に低下させる効果をいいます。

これは、経営者に企業買収のプレッシャーが抑制されるために、企業価値最大化のインセンティブが低下するためと考えられています。

私見

個人的な見解として、基本的にはアラインメント効果のほうが大きく企業にとっては有用な場合が多いと考えます。

当記事について

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