業務連絡 ゴールデンウィーク中の営業時間について
追伸 会計事務所動向
平成31年・令和元年4月29日~5月6日はゴールデンウィークのため、お休みさせて頂きます。
さて、4月は3月決算法人のディスクロージャー制度や決算早期化のプレッシャーから身動きが取れませんでした。
時代の求める決算早期化の流れは
開示制度・社会的期待のもとでの業務改善や事務効率化(平準化)を行う観点から理解できるところですが、
従前より会計処理の検討期間が短縮されたことに起因する弊害については誰も議論していないように感じます。
ここで個人的に、自身の反省も踏まえ「会計の基礎や中身」の不完全さ許容する時代について、今こそ一石を投じておきたいのです。
経営全般をカバーするトータルで完成された情報システムの構築は困難であるといわれる事があります。
これは、システムとしてプログラムを組むには、組み込む要素・情報が膨大であるのが理由であると考えます。
将棋のような零和有限確定完全情報ゲームでさえ、その組み合わせは10の68~69乗にのぼると言われています。
そのようにシステムの構築が困難でありながらも、今の業務には必要不可欠であることから
経理・財務実務においても広く会計システム等ITが利用されていることは言わずもがなです。
例えば、統制システムや監査の限界が、一人の経営者に依拠するように、ITにも依拠する時代となっています。
とりわけ規模の大きな企業では、電子テクノロジーの進化・変遷とともに基幹システムが成長し現在に至ります。
これまでに用いてきたコンピュータシステムは,従来からのシステムの接ぎ木のような維持改善によって,肥大化・複雑化してきています。
企業は日々流れる業務を止める事ができずに、当座の手当でその場をしのぐことがあります。
システム上のどこで不具合が生じ、どういう影響を与えるかについて疑われることなく、信頼され業務が流れて参ります。
もはや誰も基礎的な部分を触れない、言わば「ひっくり返すと片付けられないおもちゃ箱」の様相と相成ります。
過去のシステムエンジニア・マニュアル化を行った会計人はもうそこには存在せず、
それを歴史的に学び直す事のできる高度な人材や時間も市井に不足してきています。
今後、AIの進展によって経理業務は以下のように行われます。
レシートを光学機器が自動でスキャンし、AIが自動で仕訳を行い、その仕訳の集計が財務諸表を構成します。
さらには、レシート等紙の証憑でなく、キャッシュレス決済の瞬間から仕訳起票、財務諸表までが瞬間的に完結します。
財務諸表の調整・作成を行う人、その査閲・調査・監査を行う人、それを利用する人、須らく関わる人々が中身を知らない時代が到来致します。
この時、時代に求められる業務とは・・・・。
構成要素への判断、中身の理解についての大いなる価値、連綿と受け継がれ醸成・薫陶を経た現代叡智の結晶たる会計実務。
中身に拘り抜く本物の職業会計人に光の当たる時代が来る、またそれこそがこのレッドオーシャンで生き残る道であると思います。
また、それに経営者が気づき始めるべきです。
時に、業務中人的エラーが恐ろしくなる時があります。
実際に間違いをするときもありますが、また時に、良く言えば「至難の技」の中にいる感触を覚える時があります。
その恐怖や愉悦、それこそが機械が抱き得ない感情であり、将来への進化をもたらすトリガーです。
自身の業務中の経験から言えば
企業を取り巻く各種法令規則・あらゆる制度・近時納税額や長期的タックスプラン・経営成績及び財政状態・キャッシュフローの分析・ステイクホルダーの理解等
全方位への配慮・検討を分単位で判断しています。
そこに、人的エラーは内在しますが、自動プラグラムで答えを導出できるほど、変数は少なくありません。
過去、会計学の発達は膨大な経済事象と学問の醸造からの帰納要約によってなされてきました。
その叡智に今一度目を向けるべきではないでしょうか。
ただし、それらを全て使いこなせたとしてもなお、現実の有象無象、全ての経済事象を網羅しうるものではありません。
ここに、本質に寄り添いグレーゾーンを常に自己の経験と職分によって判断する高度な職業会計人が不可欠であります。
猪突が信条の歳男
令和の新時代を迎える我が国に
今一度、本質の価値を問うべく英気を養い休養致してまいります。