目次

1.前提

前提として、目下、タイムリーに関りのある法人は、一般財団法人であり、公益法人ではないのですけど。来年の公益認定を目指して、動き出したばかりですが、慣れないことが多く大変勉強になると感じております。

とりわけ、その組織体として意思決定に至るまでのプロセスが、株式会社のそれとは異なり、独特であると感じます。日頃接している営利団体の中では合名会社などのような頭数多数決で意思決定が行われる組織体と近いプロセスを踏んでいるのでしょうが、元々、権利が属人的でありかつ社員の責任が無限である合名会社も一般的でなく、私の様に一般的な営利団体の思考に取りつかれていては、中々馴染むのに時間がかかりそうです。頭数多数決は、議会などど同じような意思決定のプロセスという理解がよろしいのかもしれません。

その設立の趣旨、法人格の存在意義から公益に資する目的が掲げられていることからそれに賛同し、関りのある人々は、やはりどこかで奉仕の崇高な精神に動機があるものと推察致します。

 

さて、法人を区分けする上で、まず営利・非営利という判断があり、非営利の中に地方公共団体・独立行政法人・民間部門の学校法人・社会福祉法人・社団法人・財団法人・NPO法人があります。また、一部共通項を有する団体として、労働組合や協同組合などのような組織があります。

 

公益法人(こうえきほうじん)とは、公益を目的とする事業を行う法人をいい、 一般には公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(公益法人認定法)により公益性の認定を受けた一般社団法人や一般財団法人の総称を公益法人としております(公益法人認定法2条3号)。

現在、福岡県には、約4~500の公益法人が存在しているようです(福岡県HP:福岡県所管公益法人等一覧表)。その中には、医師会等が構成単位としては多いように見受けます。

 

 

2.一般財団法人・一般社団法人の課税形態

ア.法人税法上の区分

一般社団法人・一般財団法人は、法人税上、「非営利型法人」と「非営利型法人以外の法人」に区分されます。

「非営利型法人」に該当すれば、法人税法上の収益事業から生じた所得のみが法人税の課税対象になります。

ここで、前提で述べた法人の区分けにおける「営利」「非営利」の表現と法人税法上の表現が重複しているため、分かりにくいのですが

法人税を基礎に立った概念では、一般社団法人・一般財団法人は、その行う事業について制約がないことから

営利法人とは異なった特性を持つため収益事業のみに法人税を課す「非営利型法人」と、営利法人と同様に法人税を課す「非営利型法人以外の法人」に区分されています。

非営利型法人は、さらに、その内容が、「公益法人の卵」というべき非営利徹底型法人と、一般的な共益型組織を念頭に置いた共益型法人の2
通りに分けられます。
実務的に注意すべきは、定款に定めるべきあるいは定めた内容によって、要件に該当するしないの違いが生じることです。

 

イ.条文構成

Ⅰ、 法人税法では、第2条(定義)第9の2号 に非営利法人を定義し、その詳細は施行令第3条 (非営利法人の範囲)にて規定されています。

法2条 第9の2は、非営利型法人とは 次に掲げるものと規定し、イとロを掲げています。
法2条第9の2号 イ 非営利性が徹底された法人
           条文では、利益を得ること又は利益分配を目的としない法人で事業運営が適正であるものとして政令で定めるものと規定しています。当該政令は、令3条1項規定です。

法2条第9の2号 ロ 共同的活動を目的とする法人
          条文では、その会員から受け入れる会費により当該会員に共通する利益を図るための事業を行う法人であってその事業を運営するための組織が適正であるものとして政令で定めるものと規定しています。当該政令は令3条第2項です。

 

3.非営利徹底型法人の要件

網羅的に概括するというよりかは、私見に到達させるために、あえて関連する項目しか記載しませんが、上記、非営利型法人のうち、非営利徹底法人については、法人税法施工令3条1項にて以下のように規定されています。

① 定款に剰余金の分配を行わない旨の定めがあること。
② 定款に解散したときはその残余財産が国等に帰属する旨の定めがあること。
③ 上記2つの定款の定めに反する行為を行うことを決定し、又は行ったことがないこと。
(剰余金の分配又は残余財産の分配若しくは引渡し以外の方法により特定の個人又は
団体に特別の利益を与える行為を行つたことがないこと。)
④ 各理事について、同族関係者が理事総数の1/3以下であること。

ここで、私見です。上記要件は非営利徹底に該当するか否か、すなわち収益事業以外に課税が無いか有るかを判断する重要な要件と思われます。この要件への私見の表現の仕方が難しいですが、簡単に言うとこの要件が課税を免れる要件として機能するかどうかは大変に興味深く思います。ここで上記①、②は定款の定めによるため、一度定款を作成しそれに沿って運用が行われる場合にはある程度の課税類型は確定されると考えます。

4.非営利法人会計

非営利法人に関わる会計の論点は種々ありますが、それらに関する言及は割愛すると致しまして、根底に流れる考え方は、寄付者などから受け入れた財産の受託責任・管理運営責任を広く公衆にディスクローズするというものです。

適用すべき会計基準については、例えば公益社団・財団法人については、認定規則第12条により「一般に公正妥当と認められる公益法人の会計の基準その他の公益法人の会計の慣行をしん酌しなければならない。」とされ、いわゆる平成20年基準である公益法人会計基準及び同運用指針などが一般的であるようです。

とりわけ、営利法人でいうところの損益計算書は、非営利法人会計基準では、正味財産増減計算書というものですが、これの理解が公益法人会計基準の核ではないかと考えます。

正味財産増減計算書は、特に資金使途に制約があるか否かを会計上表現しているところにその特徴があると思います。これについては、現在もなお、研究会で議論されている論点みたいですが(公益法人の会計に関する研究会報告書)、現在の基準が公衆に分かりやすいか否かがその議論の対象となっています。

「正味財産計算書」の名称が古めかしく、内容を適切に表現していないとのことから「活動計算書」へ変更する方向にあるみたいですが、名称のみの変更か・内容の変更を含むのかが議論され、現在時点(R3.6.23)では内容の変更も行う方向である旨が報じられています。

企業会計基準を入口として、公益法人会計基準を眺める際には、各取引に資産の拘束非拘束を紐づけていくという理解が最も分かりやすいと思いますが、その存在や制度が特殊であることから、まずは体系を知る必要があります。

 

公益目的事業の収支相償

さて、この非営利組織ですが、特に公益認定を申請する場合には、財務3基準というものを満たす必要があります。この財務3基準の中に収支相償の原則というものがあり、具体的には公益認定法14条に「公益法人は、その公益目的事業を行うにあたり、当該目的事業の実施に要する適正な費用を償う額を超える収入を得てなならない」と定められています。換言すれば、公益目的事業が原則として赤字でなければならないことが定められています。

これについての考え方で、中小企業に慣れ親しんでる自身の実務感覚として中々、自分自身に浸透しにくいものがあります。すなわち、世には赤字スレスレで営業を営んでいる企業が数多あり、営利目的で設立した法人でさえ、利益をプラスにするのに苦労がある一方で、認定公益法人については費用を超える収入に制限がかかっており、それは公益事業以外で確たる収入が見込めているのが前提としてあるということです。趣旨は、非営利であることから不必要に利益を上げないたためというのは理解しうるところですが、そのことは換言すればやはり公益化において、その意思に賛同する多数の有志が必要で具体的に財務基盤を支える何かしらが前提として必要だということだと思います。


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