分配時調整外国税相当額に関する支払通知書の記載と仕訳処理について

目次

注)本記事の内容は、記事掲載日時点の情報に基づき判断しておりますが、一若輩者の執筆であることから個別の案件での具体的な処理については責任を負いかねます旨ご理解いただきたく存じます。制度上の取扱いに言及しておりますが、個人的な見解であり、より制度深化に資すればと考えてのものです。

Ⅰ.前提

投資信託等が海外の資産に投資している場合、そこから得られる配当等に対して外国で課税が行われています。(外国所得税)。

また、この投資信託等が国内の投資家に分配金を支払う際には、国内でも所得税が課されており、外国所得税と合わせ、内外での二重課税となっていました。

今般、2020年1月1日より施行の税制改正によって、内外での二重課税が生じないよう、投資信託等を経由して支払った外国所得税は、分配金に係る源泉所得税の額から控除できることとする調整措置がとられることとなりました。

その趣旨や経緯はすでに挙げた以下の記事にまとめています。

今回は、実務上、網羅的に具体例を用いた説明が少ないように感じましたので、より具体的に通知書の内容から処理をする過程について自分なりに整理してみました。

Ⅱ.投資信託収益分配金通知書の具体例

Ⅲ.仕訳処理

仕訳処理については、大和総研「公募投信・二重課税調整制度導入の影響解説(法人編)公募投信を通じた外国投資を行う法人は、当期純利益の上乗せ要因に」2019.8.2🔗という資料が大変参考になりました。

法人が国内の公募投資信託の分配金を受領する際、その法人が当該公募投資信託を経由して負担した外国税額があるときは、

支払通知書等において、「通知外国税相当額等」(図表③)が通知されます。
これに基づき、法人は、公募投資信託の分配金受領時に次のように経理します。

  • 普通分配金額②に外国所得税額③を加えた金額(結果として①)を「受取配当金」として収益認識(益金算入)します。
  • 外国所得税額③は「分配時調整外国税相当額」などとし、(法人税等からの控除を受ける場合)税務上は損金算入できない費用とします。

なお、所得税の計算については、
(4497②+20③)*15.315%-20③=671④
というようにグロスアップされて計算されています。

Ⅳ.法人税の確定申告

分配金受取時に「分配時調整外国税相当額」として経理した金額は、法人の確定
申告時に当期の法人税額から控除することができます(分配時調整外国税相当額控除)。

申告においては、別表六(五の二)を記載し、確定申告書等に添付することで、法人税法第69条の2《分配時調整外国税相当額の控除》等の規定を適用し、法人税の額等から分配時調整外国税相当額を控除することができます。

 

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