分配時調整外国税相当額控除【確定申告時の処理】について

目次

1.前提・概要

公募投資信託等が海外の資産に投資している場合、その投資から得た配当等に対して、まず外国で課税されます(外国所得税)。そして、証券会社等が、国内の投資家に対して、この公募投資信託等の収益の分配金を支払う際には、国内でも所得税が課税されることから、外国所得税との二重課税が生じていました。

そこで、2018年度税制改正により、2020年1月1日以降、証券会社等が、外国所得税が課税された公募投資信託等の収益の分配金を支払う際に、二重課税調整計算を行うこととされました。

参考国税庁HP 平成30年度 法人税関係法令の改正の概要🔗

2.制度内容

収益の分配金を支払う際に行われる二重課税調整外国所得税が課税された公募投資信託等の収益の分配金を支払う証券会社等は、外国において課税されていないとみなされる分配金の額を算出(グロスアップ計算)し、所得税額を計算した後、そこから一定の外国所得税を控除することにより、二重課税調整後の分配金を投資家に対して支払うこととなります。

以下、楽天証券HP投資信託等に係る二重課税調整について🔗より画像借用

3【個人】確定申告における分配時調整外国税相当額控除

支払いを受けた公募投資信託等の収益の分配金について、個人の投資家が確定申告をする場合は、総合課税と申告分離課税のいずれを選んだ場合であっても、
証券会社等が調整を行った外国所得税相当額を、一般の外国税額控除と区別して、その年分の所得税額から控除することになります(確定申告時の控除のことを「分配時調整外国税相当額控除」といいます)。分配時調整外国税相当額控除は、まず所得税額から控除し、所得税額から控除しきれないときは残額を復興特別所得税額から控除します。

4【法人】確定申告における分配時調整外国税相当額控除

法人が支払を受ける集団投資信託の収益の分配に係る分配時調整外国税(注)の額でその収益の分配に係る所得税法、租税特別措置法または復興財源確保法の規定により源泉徴収される所得税および復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から控除された金額のうち分配時調整外国税相当額は、法人税の額から控除(以下「分配時調整外国税相当額控除」といいます。)することができます。

(注) 分配時調整外国税とは、外国の法令に基づき信託財産につき課される税で、源泉徴収に係る所得税に相当するもの(以下「外国所得税」といいます。)のうち、その外国所得税の課された収益を分配するとしたならばその収益の分配につき所得税を徴収されるべきこととなるものに対応する部分をいいます。

なお、次に掲げる配当等に応じそれぞれ次に掲げる金額を基礎として、分配時調整外国税相当額控除をすることができます。

(1) 措置法第9条の3の2第1項に規定する上場株式等の配当等 調整対象外国税相当額

(2) 措置法第9条の6第1項に規定する特定目的会社の利益の配当 特定目的会社分配時調整外国税相当額

(3) 措置法第9条の6の2第1項に規定する投資法人の配当等 投資法人分配時調整外国税相当額

(4) 資産の流動化に関する法律第2条第13項に規定する特定目的信託の受益権の剰余金の配当 特定目的信託分配時調整外国税相当額

(5) 措置法第9条の6の4第1項に規定する特定投資信託の剰余金の配当 特定投資信託分配時調整外国税相当額

なお、申告においては、別表六(五の二)を記載し、確定申告書等に添付することで、法人税法第69条の2《分配時調整外国税相当額の控除》等の規定を適用し、法人税の額等から分配時調整外国税相当額を控除することができます。

以下、国税庁HPより画像借用(国税庁HP:別表六(五の二)を使用するに当たっての注意点R5.8.21訪問🔗

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